こんにちは、ハクです。
「1年目なのに休職していいのかな」
「同期に置いていかれそう」
「自分が休んだら先輩や師長に迷惑をかけそう」
「一度休んだら、もう看護師として戻れないのでは」
そんなふうに考えて、一人で抱え込んでいませんか。
僕はここ3年ほど、部署の新人教育担当として、毎年6人ほどの新人看護師を見てきました。僕の部署では、毎年1〜2人ほどが、途中で休職することがあります。
休職は、本人にとっては人生を左右するくらい大きな出来事だと思います。
でも、教育担当として毎年新人を見てきた立場から言うと、決して特別な出来事ではありません。
これは全国的な統計ではなく、あくまで僕の部署での経験です。それでも、同じように悩んでいるあなたに、職場側から見た現実を伝えることには意味があると思っています。
・看護師1年目でも休職していいのか
・休職したら本当に職場に迷惑がかかるのか
・休職中の給料や傷病手当金の目安
・休職すると同期に置いていかれるのか
・休職後に考えられる3つの選択肢
・新人教育担当が「辞めたい新人」とどう向き合っているか

休職を考えるほどつらいと感じているなら、『続けるか、辞めるか』を急いで決める前に、まず今の状態を一人で抱え込まないことが大切です。この記事では、休職を勧めるのでも、辞めることを勧めるのでもなく、新人教育を担当してきた立場から見た現実を伝えます。
看護師1年目でも休職していい?
結論から言うと、1年目だから休職してはいけない、という決まりはありません。ただし、休職できる期間や条件は勤務先によって違います。
1年目だから休職してはいけないわけではない
休職制度は、法律で一律に設けることが義務づけられている制度ではありません。対象者や条件、休職できる期間は、勤務先の就業規則などで定められます。
そのため、1年目でも利用できる職場がある一方、勤続期間などの条件が設けられている場合もあります。まずは自分の勤務先の規定を確認しましょう。
休職できる条件や期間は勤務先によって違う
休職の条件や期間は、病院や施設の就業規則によって異なります。
「看護師1年目なら必ず◯か月休職できる」と一律に言える制度ではないため、まずは自分の勤務先の規定を確認することが前提になります。
- 休職までに必要な手続き
- 休職できる期間の上限
- 休職中の在籍の扱い
これらは、就業規則や総務・人事の窓口で確認できます。
休職と退職は別の選択肢
休職は「一度立ち止まって考えるための期間」であり、退職とは別の選択肢です。
休職したからといって、必ず退職しなければならないわけではありません。逆に、休職を経ずにそのまま退職を選ぶ人もいます。
どちらが正しいということではなく、自分の状態に合わせて選べる、ということをまず知っておいてもらえたらと思います。
新人教育を担当して感じる「1年目の休職」のリアル
僕の部署では、休職は毎年のように起こる出来事です。特別なことではなく、教育担当としては「今年もあり得ること」として受け止めています。
私の部署でも毎年1〜2人ほど休職することがある
僕の部署には、毎年6人ほど新人看護師が入職します。そのうち1〜2人ほどが、年度の途中で休職することがあります。
これは全国的なデータではなく、あくまで僕が担当してきた一部署での経験です。それでも、1年目で休職する新人が「自分だけの特殊なケース」ではない、ということは伝えておきます。
休職して戻ってくる人も、そのまま辞める人もいる
休職した後の経過は、人によって本当にさまざまです。
- 休職して元の部署に戻る人
- 復職後、別の部署へ異動する人
- 休職期間中、または復職せずに退職を選ぶ人
復職して元気に働いている人だけが「成功例」というわけではありません。退職を選んだ人にも、それぞれの事情があります。
教育担当としても感じることは一つではない
正直に言うと、教育担当としての気持ちは、一つにまとまっているわけではありません。
「また今年もか」と感じることもあります。せっかく希望してこの部署に来てくれたのに、もったいないと思うこともあります。
一方で、別の場所で働きたいという気持ちがあるなら、それも仕方ないとも思っています。無理に今の場所に留めることが、その人のためになるとは限らないからです。
きれいごとだけでまとめるつもりはありません。それでも、休職を選んだ新人を責める気持ちは、僕にはありません。
休職したら職場に迷惑をかける?教育担当から見た現実
ここは、この記事でいちばん伝えたい部分です。結論から言うと、新人が1人休職したからといって、部署そのものが回らなくなるわけではありません。
新人が1人休んでも、現場は何とか回っていく
休職が決まれば、勤務調整は必要になります。ここに嘘はありません。誰かがシフトを組み直したり、担当を調整したりする手間は発生します。
ただ、それは「新人が1人減った状態でどう回すか」という、現場ではよくある調整の一つです。新人が1人休職したことで、部署の機能そのものが止まってしまうことは、僕の経験ではありません。
周囲はあなたが思っているほど休職を気にしていない
看護師の勤務は、日勤・夜勤・夜勤明け・休日とバラバラです。
そのため、他のスタッフは、あなたが「今日は休みなのか」「勤務が違うだけなのか」「休職しているのか」まで、細かく把握していません。
休職している本人は、「みんなが自分のことを話しているのでは」と感じやすいものです。ですが、教育担当として周囲を見ている立場から言うと、休職している人のことだけをずっと気にし続けているスタッフは、そう多くありません。
それぞれが自分の勤務と業務で手一杯、というのが現場の実感に近いです。
「申し訳ないから働く」は休まない理由にしなくていい
「休んだら迷惑をかける」という気持ちは、真面目な人ほど強く感じると思います。
ただ、その気持ちだけを理由に、限界まで無理をし続ける必要はありません。勤務調整は、あなたが休んでも休まなくても、いずれにせよ現場で行われるものだからです。

看護師1年目が休職を考えるほどつらくなりやすい理由
1年目には、仕事を覚えること、人間関係、夜勤、同期との比較など、さまざまな負担が重なることがあります。ここでは、1年目の看護師がつらさを感じやすい場面を整理します。
覚えることが多く仕事についていけないと感じる
1年目は、覚えることが一度に押し寄せてくる時期です。手技、記録、報告のルール、部署ごとの独自ルールなど、覚えるべきことが山ほどあります。
覚えるスピードには個人差があるため、「自分だけ遅れている」と感じやすい時期でもあります。
ミスや報告が怖くなる
ミスをした経験や、報告のときに指摘された経験が重なると、「また怒られるのでは」という不安から、報告そのものが怖くなることがあります。
報告が怖くなると、余計に相談が遅れ、悪循環になりやすい傾向があります。
先輩・プリセプターとの人間関係に疲れる
プリセプターとの相性や、指導のスタイルは人によって違います。合わない場合、指導そのものよりも、人間関係の疲れが大きくなることがあります。
夜勤が始まり生活リズムが崩れる
夜勤が始まると、生活リズムが大きく変わります。睡眠のとり方に慣れるまでは、体調を崩しやすい時期でもあります。
同期と比べて「自分だけできない」と感じる
同期の技術チェックが進んでいたり、夜勤の独り立ちが早かったりすると、「自分だけ置いていかれている」と感じやすくなります。
ただし、これは全員に当てはまるわけではありません。成長のペースには個人差があり、「1年目は必ずこうなる」と言い切れるものではない、ということも伝えておきたいです。
「少し休んだほうがいいかも」と考えるとき
ここでは、チェックリストのように使うためではなく、自分の状態を振り返るための視点として読んでもらえたらと思います。
仕事のことを考えるだけでつらくなる
出勤していない時間まで、仕事のことばかり考えてしまう状態が続いているかどうかは、一つの目安になります。
睡眠や食事など普段の生活にも影響している
眠れない、食欲がわかないなど、生活の基本的な部分に影響が出ている場合は、一人で抱え込まずに相談したほうがいい段階かもしれません。
休日でも気持ちが回復しない
休みの日に休んでも、気持ちが回復しないまま次の勤務を迎えている状態が続いていないか、振り返ってみてください。
出勤すること自体が難しくなっている
出勤しようとすると体が動かない、というところまで来ている場合は、一人で無理に対処しようとしない方がいい段階です。
自分だけで「まだ頑張れる」と決めない
ここで大事なのは、自己判断だけで抱え込まないことです。
・上司や師長
・産業医や産業保健スタッフ
・医療機関
など、状況に応じて相談できる窓口はいくつかあります。この記事は診断のための記事ではないので、「何個当てはまったら休職」という判断はしません。つらさが続いている場合は、まず相談する、という流れを大事にしてください。
看護師1年目で休職するときの流れ
実際に休職を考えたとき、何から手をつければいいか分からない人も多いと思います。ここでは一般的な流れを紹介します。勤務先によって手順は異なるため、最終的には自分の職場の規定を確認してください。
①勤務先の就業規則を確認する
まずは、休職に関する規定が就業規則にどう書かれているかを確認します。
②必要に応じて医療機関を受診する
体調や心身の状態によっては、医療機関を受診し、医師の判断を仰ぐことになります。
③師長や上司へ相談する
受診の結果や、自分の状態を踏まえて、師長や上司に相談します。ここで初めて、休職という選択肢が現実的な話として進んでいきます。
④診断書など必要な書類を提出する
勤務先によっては、休職にあたって診断書の提出を求められる場合があります。必要な書類は、勤務先の規定に沿って確認してください。
⑤休職期間と復職条件を確認する
休職が決まったら、休職期間の目安と、復職にあたって必要な条件(診断書の再提出など)を確認しておくと、復職時にあわてずに済みます。
休職中の給料はどうなる?傷病手当金も確認しておこう
ここは、正確な情報が特に大事な部分です。制度の詳細は、必ず協会けんぽや勤務先に確認してください。
休職中に給料が出るかは勤務先によって違う
休職中に給料が支払われるかどうかは、勤務先の就業規則によって異なります。無給になる勤務先も多く、その場合の生活費については、傷病手当金など別の制度でカバーすることになります。
条件を満たせば傷病手当金を受け取れる場合がある
業務外の病気やケガが原因で仕事を休み、給与が支払われていない場合、健康保険の傷病手当金を受け取れることがあります。
協会けんぽの案内によると、主な支給条件は次の4つです。
- 業務外の病気やケガによる療養で休んでいること
- 労務不能の状態であること
- 連続した3日間の待期期間を含めて、4日以上休んでいること
- 休業期間中に給与が支払われていないこと
協会けんぽの場合、1日あたりの支給額は原則として「支給開始日前12か月の各標準報酬月額の平均÷30×2/3」で計算されます。
入職1年目など、支給開始日前の期間が12か月に満たない場合には別の計算方法が用いられます。また、休業中に給与が一部支払われていても、その金額が傷病手当金より少ない場合は、差額が支給されることがあります。
支給期間は、同一の傷病について支給開始日から通算1年6か月です。金額や細かい条件は個人の状況によって異なるため、正確な内容は協会けんぽや勤務先の担当窓口で確認してください。
1年目だから対象外とは限らない
傷病手当金は、勤続年数によって対象外になる制度ではありません。健康保険に加入していて、条件を満たしていれば、1年目であっても対象になり得ます。
「1年目だから傷病手当金はもらえない」と自己判断せず、勤務先や協会けんぽに確認することをおすすめします。
社会保険料や賞与についても確認する
休職中も、社会保険料の負担が発生する場合があります。給与から天引きされない期間は、口座振替など別の方法で支払うケースもあるため、事前に総務や人事に確認しておくと安心です。
賞与についても、休職期間の扱いによって支給額や支給の有無が変わることがあります。こちらも勤務先の規定によって異なるため、あわせて確認しておくといいと思います。
1年目で休職すると同期に置いていかれる?
結論としては、差がつく可能性はゼロではありませんが、それだけで焦る必要はありません。
技術や夜勤開始の時期に差がつくことはある
休職期間が長くなれば、その分、技術チェックの進み方や夜勤開始の時期に差がつくことはあります。ここは、きれいごとにせず認めておきたい部分です。
でも同期はあなたが思っているほど休職を気にしていない
先ほども触れた通り、看護師の勤務はバラバラです。教育担当として同期たちを見ていても、休職している同期のことを、四六時中気にかけている人はそれほど多くありません。
それぞれが自分の勤務と業務で手一杯、というのが実際のところです。
復職したあと一気に追いつこうとしなくていい
復職した直後に、「同期と同じところまで一気に追いつかなければ」と焦る必要はありません。
大事なのは、同期と同じペースに戻すことより、安全に働ける状態へ少しずつ戻していくことです。勤務の戻し方については、必要に応じて主治医や勤務先とも相談しながら進めていきましょう。
休職したあとに考えられる3つの選択肢

休職はゴールではなく、その後の選択肢を考えるための時間でもあります。
①元の部署へ復職する
体調や状況が整えば、元の部署に戻る選択肢があります。慣れた環境で、少しずつ勤務を戻していく形になります。
②部署を異動して働く
同じ勤務先の中でも、部署を変えることで働き方が合うようになるケースがあります。夜勤の有無や業務内容が変わることで、負担が軽くなる場合もあります。
③退職して別の職場へ行く
今の勤務先自体が合わないと感じる場合は、退職して別の職場を選ぶことも一つの選択肢です。
看護師1年目・新人看護師が「辞めたい」と感じたときの考え方については、こちらの記事でも詳しく整理しています。
【参考記事】看護師1年目で辞めたいのは甘えじゃない|限界になる前に知ってほしいこと
復職するか辞めるか迷ったら「何がつらかったのか」を考える
ここで一度、何がつらかったのかを切り分けてみることをおすすめします。
看護師の仕事そのものがつらいのか
覚えることの多さや責任の重さなど、看護師という仕事自体につらさを感じているのか。
今の部署がつらいのか
夜勤の頻度や業務量など、今の部署特有の事情につらさを感じているのか。
人間関係や教育環境がつらいのか
プリセプターとの相性や、部署の雰囲気につらさを感じているのか。
先輩から注意されることが続いて「看護師に向いていないのかも」と感じている人は、こちらの記事で、新人看護師が怒られてばかりでつらいときの考え方を詳しく整理しています。
【関連記事】新人看護師が怒られてばかりでつらいときに|「向いてない」と決める前に考えてほしいこと
別の病院なら働いてみたいと思えるのか
「看護師を辞めたい」のか、「今の職場を辞めたい」のかは、似ているようで別の悩みです。ここを切り分けると、復職・異動・退職のどれが自分に合っているか、見えやすくなります。
別の職場で働くことも選択肢に入っているなら、焦って転職先を決める前に、まず転職の流れや働き方の選択肢を知っておくと判断しやすくなります。
【関連記事】看護師が転職を考えたら何から始める?辞める前にやるべきことと転職の進め方
今すぐ転職を決める必要はありません。ただ、「別の環境なら働けるかもしれない」と感じているなら、どんな求人があるのか情報だけ集めておくのも一つの方法です。
→ レバウェル看護で求人・働き方の選択肢を見てみる
教育担当として、辞めたい新人を必死に止めない理由
これは、教育担当としての僕自身の考え方です。
退職を決めた人には、その人なりの限界がある
退職を決めた新人を、何が何でも引き止めようとは思いません。そこまでの決断をするには、本人なりの限界や理由があると考えているからです。
違う職場で働きたいなら、それも一つの選択
別の職場で働きたいという気持ちがあるなら、それも一つの選択だと思っています。今の部署に留まることだけが、正解ではありません。
続けたいと思っている新人を支えることも大切
一方で、「ここでもう少し頑張りたい」と思っている新人には、しっかり力を注ぎたいと感じています。
誤解してほしくないのですが、辞める新人に興味がないとか、時間を使うのが無駄だという意味ではありません。伝えたいのは、「その人が辞めても職場は回っていく。だから、職場への申し訳なさだけで自分の人生を決めなくていい」ということです。
「1年目で休職した」という一つの出来事だけで、看護師人生全体が決まるわけではありません。休職は、その後を考えるための時間として捉えてもらえたらと思います。
看護師1年目の休職についてよくある質問
1年目でも休職できますか?
勤続年数によって一律に制限される制度ではありません。ただし、休職できる条件は勤務先によって異なるため、就業規則の確認が必要です。
休職には診断書が必要ですか?
勤務先によっては、診断書の提出を求められる場合があります。必要書類は、勤務先の規定に沿って確認してください。
休職期間はどのくらいですか?
休職期間の上限は、勤務先の就業規則によって異なります。一律の期間が決まっているわけではありません。
休職したら給料はどうなりますか?
無給になる勤務先が多く、その場合は傷病手当金など別の制度でカバーすることになります。給料の扱いは、勤務先に確認してください。
休職すると同期に遅れますか?
技術面や夜勤開始の時期で、多少の差がつく可能性はあります。ただし、それだけで焦る必要はありません。
休職したまま退職できますか?
手続き上は可能です。ただし、退職の意思表示や手続きの方法は、勤務先の規定に沿って進める必要があります。
休職経験は転職で不利になりますか?
休職経験そのものが、決定的に不利になるとは限りません。休職に至った経緯や、その後どう考えたかを、自分の言葉で説明できるようにしておくことが大切です。
まとめ|休む必要があるときは休んで、そのあとを考えればいい
新人が1人休んだからといって、職場そのものが回らなくなるわけではありません。
「申し訳ない」という気持ちだけで、自分を追い込む必要はないと思っています。
休む → 元の部署へ戻る/異動する/別の職場へ行く
この順番は、休んでから考えても遅くありません。まずは、自分の状態を一人で抱え込まず、誰かに相談するところから始めてもらえたらと思います。

休職するかどうかより先に、まずは今の状態を誰かに話してみてください。師長でも、産業保健スタッフでも、医療機関でも構いません。休んでから考える、で大丈夫です。



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