救急外来の1日の流れ|現役ER看護師の日勤・夜勤スケジュールと仕事内容

救急現場のリアル

こんにちは、ハクです。

「救急外来って、1日どんな流れで働いているの?」

「救急車が来たら、看護師は具体的に何をしているの?」

救急外来に興味がある人や、これから配属される看護師なら気になるところだと思います。

僕は救急外来で10年以上働いていますが、救急外来の1日は一般病棟とはかなり違います。

ハクのプロフィール画像

この記事を書いた人

ハク救急・ICU看護師

救命救急センター勤務歴10年以上の現役ナース。認定看護師として院内教育・急変対応研修や学生への講義講師も担当。現場のリアルな経験をもとに記事を書いています。

一番大きな違いは、その日の予定を立てても、その通りに進むとは限らないことです。

救急車が続く日もあれば、比較的落ち着いている時間もあります。

この記事では、僕が実際に働いている救急外来を一例として紹介します。

この記事でわかること
  • 日勤の1日の流れ
  • 夜勤の1日の流れ
  • 救急外来看護師の仕事内容
  • 忙しい日のリアル
  • 働いて感じるきつさとやりがい

※勤務時間や救急外来の役割分担は病院によって異なります。この記事では、僕が勤務する救急外来の変則2交代勤務を一例として紹介します。

ハク
ハク

救急外来の1日は「次に何が来るかわからない」の連続です。それがきつさでもあり、やりがいでもあります。

結論|救急外来の1日は予定通りに進まない

救急外来の1日を一言で表すなら、「予定通りに進まない」です。

救急車がいつ来るのか、何人来るのか、どんな状態の患者さんが来るのかは分かりません。

「今日は比較的落ち着いているな」と思っていても、救急車が立て続けに来れば、一気に状況が変わります。

逆に救急車が少なく、委員会の仕事や勉強会の資料作成などを進められる時間もあります。

救急外来看護師に必要なのは、決められたスケジュール通りに仕事をこなすことよりも、そのとき一番優先すべきことを判断して動くことだと感じています。

救急外来の日勤の1日の流れ

僕の勤務先では変則2交代勤務で、日勤は朝から21時頃まで勤務します。

大まかな流れは次のようになります。

時間帯主な流れ
8時頃勤務開始・引き継ぎ・情報収集
午前救急車・ウォークイン患者への対応
昼頃交代で休憩・継続患者の対応
午後救急対応・検査・処置・入院調整など
16時頃状況を見ながら休憩
夕方〜夜救急対応・継続患者の整理
21時頃夜勤へ引き継ぎ・勤務終了

もちろん、毎日この通りに進むわけではありません。

むしろ、この予定を救急患者の状況に合わせて何度も組み替えるのが救急外来です。

予定通りに進まないERらしさ

8時頃|勤務開始・夜勤から引き継ぎ

勤務が始まったら、まず夜勤帯から継続して対応している患者さんの情報を確認します。

例えば、

「入院予定なのか」

「検査結果待ちなのか」

「帰宅できそうなのか」

「状態が不安定な患者さんはいないか」

などを確認します。

救急外来では、新しく来る患者さんだけを見ればいいわけではありません。すでに救急外来にいる患者さんを担当しながら、新しい救急車も受け入れていく必要があります。

そのため勤務開始時に、救急外来全体が今どんな状況なのかを把握しておくことが大切です。

午前|救急車・ウォークイン患者への対応

救急隊から受け入れ要請の電話が入ると、患者さんが到着する前から対応は始まっています。

例えば、

  • 主訴
  • バイタルサイン
  • 意識状態
  • 発症した時間
  • 受傷機転
  • 既往歴
  • 現場で行われた処置

などの情報を確認します。

ここで僕が意識しているのが、「この患者さんが来たら、次に何が必要になりそうか」を考えることです。

例えば呼吸状態が悪そうなら、

「酸素投与が必要になるかもしれない」

「採血や血液ガスを行うかもしれない」

「胸部画像が必要になるかもしれない」

といったことを予測しながら準備します。

患者さんが到着してから慌てて準備するのではなく、搬送前の情報から次の行動を予測するのも救急外来看護師の仕事です。

患者到着後|まず状態を確認する

救急車が到着したら、患者さんの状態を確認します。

救急隊から聞いていた情報と、実際に目の前にいる患者さんの状態が同じとは限りません。

そのため、

「第一印象はどうか」

「呼吸は苦しくないか」

「循環は保たれているか」

「意識状態はどうか」

などを確認し、必要に応じてABCDEの考え方で優先順位を整理します。

救急外来では、検査をすることより先に、今すぐ対応が必要な状態ではないかを確認することが重要です。

ABCDEについては、こちらの記事で詳しく解説しています。

【関連記事】ABCDEアプローチ(ABCDE評価)とは?救急看護の一次評価を図解で解説

状態確認後|採血・点滴・検査・処置へ進む

緊急性を確認したら、医師と連携して必要な検査や処置を進めます。

救急外来看護師が行うことは患者さんによって違いますが、採血、点滴、心電図、モニター装着、検査への移送、処置介助などが必要になります。

ここでも、「指示されたことをする」だけではなく、「次に何が必要になるか」を考えて準備することが大切です。

例えばCT検査へ行きそうなら移送の準備をする。

入院になりそうなら必要な情報を整理する。

患者さんの状態が変化したら、もう一度評価する。

救急外来では、このように患者さんの状態に合わせて仕事が次々と変化していきます。

患者1人を受け入れる流れを場面

昼頃|休憩できるかはその日の状況次第

救急外来でも当然休憩時間はあります。

ただ、救急車の受け入れが続いていると、予定通りの時間に休憩へ入れないこともあります。

「そろそろ昼ご飯かな」と思ったタイミングで救急車の受け入れ要請が入り、そのまま対応することもあります。

そのため、スタッフ同士で患者さんを引き継ぎながら、入れる人から交代で休憩を取ります。

救急外来では、自分だけで患者さんを抱え込まず、チームで状況を共有することが重要です。

午後|救急対応と同時に入院・帰宅も進める

午後も救急車やウォークイン患者への対応が続きます。

一方で、午前中から対応していた患者さんの検査結果が揃い、

  • 入院
  • 帰宅
  • 転院
  • 追加検査

などの方向性が決まってきます。

救急外来では、新しい患者さんを受け入れながら、今いる患者さんを次の場所へつなぐという作業を同時に行っています。

入院になれば病棟へ申し送りを行い、帰宅する患者さんであれば必要な説明や確認を行います。

医師への報告も重要な仕事

患者さんの状態に変化があった場合は、医師への報告も必要です。

救急外来では短時間で状況を共有する必要があるため、「今何が起きているのか」「何を確認したのか」「何を相談したいのか」を整理して伝えることが大切です。

僕自身、新人の頃はうまく報告できずに失敗した経験があります。

医師への報告については、SBARの記事で具体例を紹介しています。

【関連記事】看護師の医師への報告はどうする?SBARの伝え方と具体例を解説

16時頃|状況を見ながら休憩

僕の勤務先では、変則2交代勤務のため、夕方にも休憩時間があります。ただ、ここも救急外来の状況次第です。

救急車が続いていれば、予定通りに休憩へ入れないこともあります。

長時間勤務になるので休憩は重要ですが、救急外来では患者さんの状況を見ながらスタッフ同士で調整しています。

21時頃|夜勤へ引き継いで勤務終了

夜になったら、夜勤スタッフへ引き継ぎを行います。

患者さんが全員帰宅・入院して救急外来が空になっていれば比較的スムーズに終わります。

しかし、「検査結果待ち」「入院先の調整中」「救急車が到着したばかり」という患者さんがいれば、その状況も含めて夜勤へ引き継ぎます。

21時になったから突然仕事が終わるわけではなく、最後までその日の救急外来の状況に左右されるのが実際のところです。

救急外来の夜勤の1日の流れ

夜勤も基本的な仕事内容は日勤と大きく変わりません。

ただ、スタッフ数や病院全体の体制、救急車の台数などによって負担感はかなり変わります。

20時30分頃|夜勤開始・日勤から引き継ぎ

夜勤が始まったら、まず日勤帯から継続している患者さんの情報を引き継ぎます。

救急外来に残っている患者さんについて、「何の検査を待っているのか」「入院予定なのか」「注意して見るところは何か」などを確認します。

そこへ新しい救急搬送が重なることもあります。

そのため、夜勤開始直後から忙しくなる日も珍しくありません。

夜間|救急車の受け入れが中心

夜間も救急車の受け入れが続きます。

僕の勤務先では、救急搬送が多い日は電話が何度も続くことがあります。

1台の対応が終わる前に次の受け入れ要請が入ることもあり、「今どの患者さんを優先するのか」をスタッフ同士で確認しながら動きます。

逆に、比較的落ち着いている夜もあります。

そうした時間には記録やその他の業務を進め、状況に応じて休憩や仮眠を取ります。

深夜|仮眠できるかは日によって違う

夜勤では仮眠時間がありますが、必ず予定通りに取れるとは限りません。

救急車の受け入れが続けば、そのまま対応が続くこともあります。

一方、落ち着いている夜にはスタッフ同士で交代しながら仮眠を取ります。

救急外来の夜勤は、毎回同じ忙しさではないという点が特徴だと思います。

朝方|勤務終了まで気を抜けない

朝が近づくと、「あと少しで夜勤が終わる」と思います。しかし、救急外来では最後まで何が起こるか分かりません。

朝方に救急搬送や受診が重なることもあります。

夜勤中に対応した患者さんの入院や帰宅を進めながら、新しく来た患者さんにも対応し、次の勤務者へ引き継ぎます。

夜勤終了間際に救急車が入ることもあるので、最後まで気が抜けません。

救急外来看護師が1日の中でしている仕事内容

救急外来看護師の仕事は、「救急車が来たら対応する」だけではありません。

1日の中で行っている主な仕事を整理すると、次のようになります。

仕事内容実際に行うこと
搬送前の情報収集救急隊から主訴・バイタル・経過などを確認する
受け入れ準備必要になりそうな物品・モニター・処置などを準備する
初期評価到着時の状態を確認し、緊急性・優先順位を判断する
検査・処置採血、点滴、心電図、検査・処置の介助など
経過観察バイタルや症状の変化を確認し、必要に応じて再評価する
医師への報告状態変化や観察した内容を整理して共有する
入院・帰宅への調整病棟への申し送り、帰宅時の確認など
患者・家族への対応不安への対応、医師の説明後の理解確認など
その他物品管理、委員会、教育、勉強会など

この中でも救急外来看護師として大切だと感じるのは、

「今していること」だけではなく、「このあと何が必要になるか」を考えることです。

救急外来に配属されたばかりの頃は、目の前の処置を覚えるだけで精一杯でした。

経験を重ねるにつれて、「この情報なら、この疾患も考える」「次はこの検査が必要になりそう」「この状態なら先に準備しておこう」と、少し先を予測して動けるようになりました。

救急看護師の勉強方法については、こちらの記事で詳しく紹介しています。

【関連記事】救急看護師は何を勉強する?新人におすすめの勉強法と優先順位

急変が起これば予定していた仕事はいったん止まる

救急外来では、今している仕事より優先すべきことが突然発生します。

比較的落ち着いていて記録をしていても、状態の悪い患者さんが搬送されれば、そちらへの対応が優先されます。

患者さんの状態が急に悪化することもあります。

その場合は、

異変に気づく → 応援を呼ぶ → 状態を評価する → 必要な対応を行う → 医師へ報告する → 再評価する

という流れになります。

急変時の看護師の動きについては、こちらで詳しくまとめています。

【関連記事】急変時の看護師の対応|異変発見からABCDE・医師への報告まで

救急外来では「優先順位」が何度も入れ替わる

今一番優先すべき患者を考える

救急外来で働いていて特徴的だと感じるのが、優先順位が1日の中で何度も変わることです。

朝に考えていた予定が、昼にはまったく違うこともあります。

例えば、

患者さんの記録をしている
↓
救急車の受け入れ要請が入る
↓
搬送患者を受け入れる
↓
別の患者さんの状態が悪化する
↓
急変対応を優先する

ということもあります。

だからこそ救急外来では、「自分が今やっていた仕事」ではなく、「今一番優先すべき患者さんは誰か」を考え続ける必要があります。

救急外来の忙しさは、単純に仕事量が多いだけではありません。

仕事の順番が何度も入れ替わることも、救急外来特有の大変さだと感じています。

救急外来で1日働いて感じるきつさ

救急外来で働いていてきついと感じることはあります。

休憩が予定通りに取れない日もありますし、勤務終了間際に救急車が来ることもあります。

夜勤では、救急搬送が続けば十分に仮眠できないこともあります。

また、「この患者さんを先に見るべきか」「この変化をどう捉えるか」という判断を求められる場面も多く、精神的な負担を感じることもあります。

ただ、救急外来のきつさは「忙しい」だけでは説明できません。

詳しくはこちらの記事でまとめています。

【関連記事】救急看護師はきつい?10年以上働いた現役ナースが「辞めたい」と思う理由と続けるか迷ったときの選択肢

それでも僕が救急外来を続けている理由

救急外来は、決して楽な職場ではありません。

それでも僕が長く続けている理由のひとつは、自分の判断や行動が患者さんのその後につながっていると感じられる場面が多いからです。

患者さんが救急外来にいる時間は、それほど長くないこともあります。

だからこそ短い時間の中で、「何が起きているのか」「何を優先するのか」「次に何が必要なのか」を考えます。

分からなかったことや、うまくできなかったこともたくさんありました。

でも、その経験を振り返って勉強し、次の患者さんに活かしていく。

その繰り返しが、救急看護のおもしろさだと感じています。

まとめ|救急外来の1日は予定通りに進まない

救急外来の1日は、毎日同じではありません。救急車が続く日もあれば、比較的落ち着いている時間もあります。

日勤でも夜勤でも共通しているのは、患者さんの状態と救急外来全体の状況に合わせて、優先順位を変えながら働くことです。

救急外来看護師は、救急車を受け入れるだけではなく、

搬送前の情報収集 → 受け入れ準備 → 初期評価 → 検査・処置 → 経過観察 → 医師への報告 → 入院・帰宅への調整

まで、患者さんが救急外来を離れるまでのさまざまな場面に関わります。

僕自身、救急外来で10年以上働いていますが、今でも同じ1日はありません。

これから救急外来へ配属される人や、「ERで働いてみたい」と考えている人に、少しでも実際の働き方が伝わればと思います。

ハク
ハク

救急外来は、予定を立ててもその通りにいかないことが多い職場です。でも、次に何が必要になるかを考えながら動けるようになると、少しずつ見える景色が変わってきます。最初から全部できる必要はありません。僕も目の前のことを一つずつ覚えるところから始まりました。

コメント

タイトルとURLをコピーしました