看護師が異動したいときはどうする?伝え方・理由と転職を考える判断基準

転職・キャリア

こんにちは、ハクです。

「今の部署から異動したい」

そう思っていても、師長にどう切り出せばいいのか分からず、言い出せないまま働き続けている看護師は少なくないと思います。診療科が合わない、人間関係がつらい、夜勤や残業がきつい、家庭との両立が難しいなど、異動したい理由は人それぞれです。

実は僕自身、異動を「したい」側ではなく、「告げられた」側でした。一般病棟から救命センターへの異動で、自分から希望したものではありません。そのとき何に不安を感じ、異動後にどうだったのかも、この記事で紹介します。

ただ、異動で環境が大きく変わるのも事実です。だからこそ、異動を考え始めたときは、希望部署を探す前に「何がつらいのか」を整理しておくことが大切になります。

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この記事を書いた人

ハク救急・ICU看護師

救命救急センター勤務歴10年以上の現役ナース。認定看護師として院内教育・急変対応研修や学生への講義講師も担当。現場のリアルな経験をもとに記事を書いています。

この記事では、僕自身の異動経験も交えながら、異動したいと思ったときの考え方、伝え方やタイミング、異動と転職をどう考えるかを整理しました。

※異動制度や人事の決め方は病院によって異なります。この記事では、僕自身の経験と勤務先で見てきた範囲をもとに紹介しています。

この記事でわかること
  • 異動したいと思ったときに、最初に整理しておきたいこと
  • 異動で解決しやすい悩みと、解決しにくい悩み
  • 希望していなかった異動が、僕のキャリアにどうつながったか
  • 異動希望の相談先、伝え方、タイミング
  • 異動希望が通らなかったときの選択肢と、異動と転職の考え方
ハク
ハク

「異動したい」と思ったとき、最初から「異動する」「辞める」と決めなくてもいいと思います。まずは、自分が何を変えたいのかを整理するところから始めてみてください。

看護師が異動したいと思ったら、まず「何を変えたいのか」を整理する

異動したいと思うと、つい「どの部署に行こうか」から考えたくなります。ただ、最初に向き合いたいのは希望部署ではなく、「今の仕事の何を変えたいのか」です。

同じ「異動したい」でも、中身は人によってまったく違います。今の診療科そのものが合わない人もいれば、急性期のスピードについていくのがつらい人、夜勤がきつい人、人間関係に悩んでいる人もいます。

今の部署では学びたいことが学べない、子育てとの両立が難しい、残業が多い、病院全体の方針が合わないといった理由もあるでしょう。

ここで分けて考えてほしいのが、次の2つです。

・今の部署だから起きている問題なのか
・この病院で働き続ける限り、変わりにくい問題なのか

診療科や部署の人間関係が原因なら、院内異動で状況が変わる可能性があります。

一方で、給与制度や病院全体の働き方、教育体制そのものに不満があるなら、部署だけを変えても同じ悩みが残ることがあります。

異動を考えるときの出発点は、「どこへ行きたいか」ではなく「何を変えたいか」です。

ハクが2つの道を前に考えている構図

異動すれば解決しやすい悩みと、解決しにくい悩み

院内異動で変わりやすいのは、診療科、業務内容、一緒に働くスタッフ、勤務形態などです。反対に、病院全体の給与制度や教育方針は、部署を変えても大きく変わらないことがあります。

おおまかに整理すると、次のようになります。

今の悩み異動で変わる可能性
今の診療科が合わない変わる可能性がある
急性期から別の領域へ移りたい変わる可能性がある
特定の人間関係がつらい環境が変わる可能性がある
夜勤を減らしたい配属先や勤務形態による
残業を減らしたい部署による場合と病院全体の問題の場合がある
給料を上げたい院内異動だけでは変わりにくい
教育制度が合わない病院全体の制度なら変わりにくい
病院の方針そのものが合わない転職も含めて考える余地がある

これはあくまで目安で、実際には勤務先によって違います。たとえば給料も、基本給は変わらなくても、夜勤回数や部署ごとの手当によって月々の金額が変わる場合があります。

給料の目安が気になる方は、【関連記事】看護師2年目の年収はいくら?【2026年】給料・手取りと実際の給与を公開もあわせて読んでみてください。

僕自身、希望していない異動を経験した

僕が一般病棟から救命センターへ異動したのは、自分から希望したものではありませんでした。

ただ、救命センターそのものには興味がありました。異動を告げられたときは「やってみよう」という気持ちもありました。それでも、「怖い先輩がいるらしい」という噂も耳に入っていて、楽しみより不安のほうが大きかったと思います。

実際に異動すると、周りは知らないスタッフばかりです。後輩であっても、救命センターでの動き方を知っているというだけで、自分より先輩のように感じました。

これまであまり関わってこなかった医師とも一緒に働くようになり、一般病棟では経験する機会の少なかった疾患や重症患者への対応を、短い期間で一気に覚える必要がありました。

最初の頃は、仕事が終わるたびにかなり疲れていた記憶があります。

それでも、異動したことで、救急・重症患者の看護を本格的に学ぶようになりました。その経験が、今のクリティカルケア認定看護師というキャリアにつながっています。

僕の場合は、「自分では選ばなかった異動が、結果的に今のキャリアにつながった」ということになります。だから、希望していない異動だから悪い結果になるとは思っていません。

その一方で、異動すれば新しい仕事、人間関係、知識を一度に覚えることになります。それだけの負担があることも、実際に経験して感じています。

異動を考えるときは、良くなる可能性と新しい負担の両方を見ておくのが現実的です。

ハクのキャリア変化

異動すると「大変さの種類」が変わることもある

部署を変えれば、単純に仕事が楽になるわけではありません。むしろ、大変さの種類が変わると考えたほうが近いと思います。

僕の勤務先の場合、救命センターには重症患者への対応や急変対応など、一般病棟とは違う大変さがあります。

その一方で、一般病棟より時間外勤務が少なく、比較的早く帰れることもあります。そのため、子育てをしながら救命センターで働き続けているスタッフもいます。

「救命センターのほうが大変そう」と思われがちですが、実際は一般病棟と救命センターで求められるものが違うだけで、どちらが楽かを一概には言えません。

異動先を考えるときは、「どちらが楽か」ではなく、「自分にとってどんな働き方なら続けやすいか」で見てみてください。

救急外来の実際の働き方は、【関連記事】救急外来の1日の流れ|現役ER看護師の日勤・夜勤スケジュールと仕事内容で紹介しています。

看護師が異動したいときは誰に相談する?

異動希望をどこへ伝えるかは、勤務先によって異なります。基本は直属の上司や師長ですが、人間関係が理由で言いにくい場合は、看護部や相談窓口など別のルートを用意している施設もあります。まずは勤務先の制度を確認してみてください。

僕の勤務先では、毎年1回、今後の勤務や異動希望を伝える意向調査があります。

ただ、希望を書けば必ずその部署へ異動できるわけではありません。各部署の人員配置や病院全体の事情もあるため、最終的には人事によって決まります。

希望していない部署への異動になることもあります。

僕が見てきた範囲では、2〜5年目くらいの比較的若い看護師が異動することが多い印象はあります。

ただ、長く同じ部署で働いてきたスタッフが異動することもあり、「○年目になったら異動」と単純に決まっているわけではありません。

意向調査や面談の制度があるなら、まずその仕組みを確認するところから始めるのが確実です。

異動したい理由はどう伝える?

「今困っていること」と「これからどう働きたいか」を整理して伝える構図

異動希望を伝えるときは、「今の部署が嫌だから」だけで終わらせず、今の状況と、これからどう働きたいのかをセットで伝えると話が整理しやすくなります。たとえば、次のような伝え方です。

今後は○○領域の経験を積みたいと考えており、可能であれば○○病棟への異動を希望しています。

ただし、すべてを前向きな理由に言い換える必要はありません。人間関係が原因なら、次のような伝え方でも構いません。

今の部署では人間関係の面で働き続けることに負担を感じています。環境を変えて看護師として働き続けたいと考えています。

子育てや介護との両立が理由なら、困っていることと希望をそのまま伝えます。

今の勤務形態では家庭との両立が難しくなっており、勤務形態を調整しやすい部署への異動を相談したいです。

きれいな理由を作ることよりも、上司が状況を理解して検討できる情報を伝えることが大切です。

異動希望を伝えるタイミング

異動希望を伝えるタイミングも、施設によって違います。僕の勤務先では年1回の意向調査がありますが、すべての病院が同じではありません。

定期面談、意向調査、キャリア面談など、勤務先に制度があるなら、その機会を利用すると伝えやすいと思います。

ただし、「次の意向調査まであと半年あるから、それまで我慢する」と考える必要はありません。

心身への負担が大きいときや、今のままでは勤務を続けるのが難しいときは、時期を待たずに直属の上司や師長へ相談したほうがいいケースもあります。

大切なのは、一般的な「異動の時期」を探すことよりも、自分の病院ではどういう流れで異動が決まるのかを確認することです。

異動希望が通らなかったらどうする?

異動希望を出しても、通るとは限りません。僕の勤務先でも、本人の希望とは違う部署へ異動になることがあります。

そんなときも、「我慢して残るか、辞めるか」の二択で考えなくていいと思います。選択肢は、たとえば次のとおりです。

・次の異動時期まで待つ
・希望する部署を変えて相談する
・夜勤回数など、勤務条件だけ調整できないか相談する
・今の部署で変えられる部分がないか考える
・院内では希望する働き方が難しそうなら、他院も見てみる

「異動できなかったから転職」と急がず、まずは選択肢を並べてみるところから始めてみてください。

希望していない異動が負担になることもある

救命センターには、若いスタッフが異動してくることも多くあります。

僕が見てきた印象では、もともと救急に興味があって自分から希望して来た人は、比較的続きやすいと感じます。

もちろん、希望して来た人でも、人間関係などを理由に辞めることはあります。

一方で、本人が救命センターを希望していなかった場合に、途中で休職したり、別の部署へ移ったり、退職したりするケースも見てきました。

これは僕が勤務する職場や周囲で見てきた範囲の話で、すべての病院に当てはまるわけではありません。

それでも、異動は単に勤務場所が変わるだけの出来事ではなく、その後の働き方やキャリアにも大きく影響すると思います。

だからこそ、異動希望を出すときも、希望していない異動を告げられたときも、「自分はどんな働き方をしたいのか」を考えておくことが大切です。

異動と転職、どちらを選ぶ?

異動と転職で迷ったときは、「部署を変えれば解決するのか」「病院そのものを変える必要があるのか」という視点で考えると整理しやすくなります。

今の悩みまず考えやすい選択肢
今の診療科が合わない院内異動
今の部署だけ人間関係が合わない異動
急性期から別の領域へ移りたい異動または転職
夜勤を減らしたい異動・勤務調整・転職
給料を上げたい他院との比較も必要
病院全体の方針が合わない転職も検討
病院全体で残業が多い転職も検討
異動希望が何度も通らない他院も比較
希望する部署が院内にない転職も検討

もちろん、この表だけで決める必要はありません。

ただ、「今の部署を離れたい」と「今の病院を離れたい」は同じではありません。ここを分けて考えると、異動と転職のどちらを検討するかが見えやすくなります。

転職も選択肢に入ってきたものの、「今動くべきか」「何年目・何月に動くのがいいのか」で迷う場合は、転職するタイミングも整理しておくと判断しやすくなります。
【関連記事】看護師の転職タイミングはいつ?何年目・何月がいいかと動き始める時期を解説

救急外来そのものがつらいと感じている方は、

【関連記事】救急看護師はきつい?10年以上働いた現役ナースが「辞めたい」と思う理由と続けるか迷ったときの選択肢でも詳しく整理しています。

転職するか決めていなくても、他院の求人を見て比較していい

僕は、異動したい、辞めたいと相談されたとき、「他にも病院はあるし、自分の人生だから、自分が納得できるほうを選べばいい」と話すことがあります。看護師として働ける場所は、今の病院だけではありません。

ただし、「つらいならすぐ辞めたほうがいい」と言いたいわけでもありません。他の病院を経験したからこそ、「前の病院はここが良かったんだ」と気づくこともあるからです。

だから、転職するかどうか決めていない段階でも、他院の求人を見てみることには意味があると思っています。たとえば、次のような点を今の勤務先と比べてみます。

・給与
・年間休日
・夜勤回数
・希望する診療科
・教育制度
・通勤時間

比べた結果、「今の病院で部署を変えるほうが自分には合っている」と分かることもあります。

反対に、「病院を変えたほうが希望する働き方に近づけそう」と分かるかもしれません。

求人を見ることは、転職を決めることではありません。異動するか、転職するかを考えるための、比較材料を集めることです。

今の病院と他院の条件を一度比べてみたい人は、看護師向けの求人サービスで、現在募集されている求人を確認できます。転職すると決めていなくても、給与や勤務条件、希望する診療科の求人を見るだけで、比較材料になります。

他院にどんな求人があるか確認したい人は、レバウェル看護で希望する診療科や勤務条件の求人を見てみてください。

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まとめ|看護師が異動したいときは「何を変えたいか」から考える

看護師が異動したいと思ったとき、すぐに異動するか転職するかを決める必要はありません。まず考えたいのは、「自分は今の仕事の何を変えたいのか」です。

診療科や今の部署の人間関係が原因なら、院内異動で状況が変わる可能性があります。

一方で、給与制度や病院全体の方針、教育体制、働き方そのものに不満がある場合は、部署だけを変えても悩みが残ることがあります。

僕自身、自分では希望していなかった一般病棟から救命センターへの異動を経験しました。

最初は知らないスタッフや医師、疾患、重症患者への対応に慣れるだけでも大変でした。それでも、そこで経験を積んだことが、今のクリティカルケア認定看護師というキャリアにつながっています。

ただ、異動が良い結果になるかどうかは、異動した時点では分からないこともあります。それでも、自分がどんな看護をしたいのか、どんな働き方なら続けられるのかを考えることはできます。

異動する。今の部署に残る。他院を見てみる。

どれか一つを急いで選ぶのではなく、選択肢を並べて比べたうえで、自分が納得できる道を選べればいいと思います。

【関連記事】看護師が転職を考えたら何から始める?辞める前にやるべきことと転職の進め方

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僕自身、希望していなかった異動が今のキャリアにつながりました。でも、すべての異動がそうなるわけではありません。

異動したい、辞めたいと思ったときは、まず「何を変えたいのか」を考えてみてください。その答えによって、異動がいいのか、転職も含めて考えるのかが、少しずつ見えてくると思います。

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