救急看護師はきつい?10年以上働いてわかった7つの理由と対処法

救急現場のリアル

こんにちは、ハクです。

「救急看護師はきつい」と感じる理由は、単純に忙しいからだけではありません。

救急搬送が重なること、優先順位が短時間で変わること、患者さんの状態を見ながら考え続けること。さらに夜勤や勉強など、いくつもの負担が重なります。

僕自身、救命救急センターで10年以上働いていますが、今でも「今日はきつかった」と感じる日はあります。

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この記事を書いた人

ハク救急・ICU看護師

救命救急センター勤務歴10年以上の現役ナース。認定看護師として院内教育・急変対応研修や学生への講義講師も担当。現場のリアルな経験をもとに記事を書いています。

この記事では、実際に救急で働いてきた経験をもとに、救急看護師がきついと感じる理由と、つらいときに考えたい対処法を整理します。

この記事でわかること
  • 救急看護師がきついと感じる7つの理由
  • 10年以上働くと「きつさ」がどう変わるのか
  • 救急看護師がきついときにできること
  • 辞めたいと感じたときの考え方
ハク
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救急の仕事そのものがつらいのか、今の働き方や職場環境がつらいのか。ここを分けて考えると、次にどうするかも見えやすくなります。

結論|救急看護師は「何がきついか」で対処法が変わる

救急看護師のきつさを3つに分ける整理図

救急看護師のきつさは一つではありません。

この記事では、大きく、「救急の仕事そのもの」「働き方」「職場環境」の3つに分けて考えます。

例えば、次に何が来るかわからない緊張感や、優先順位が何度も変わること自体がつらいなら、「救急の仕事そのもの」に負担を感じている可能性があります。

一方で、救急の仕事は嫌いではないのに、夜勤や家庭との両立がつらいなら「働き方」、人手不足や教育体制、人間関係が原因なら「職場環境」が影響しているかもしれません。

何が一番つらいのかによって、休息を取る、勤務を調整する、勉強の範囲を絞る、部署を変えるといった選択肢も変わります。

まずは「全部きつい」で終わらせず、自分がどこに一番疲れているのかを分けて考えてみてください。

救急看護師がきついと感じる7つの理由

1. 次に何が来るかわからない

救急看護師のきつさは、単純に仕事量が多いことだけではありません。大きいのは、次に何が起こるかわからない状態が続くことです。

比較的落ち着いて患者さんの対応をしている最中に、救急隊からホットラインが入ることがあります。

例えば、「交通外傷でショック状態。10分後に到着します」と連絡が入れば、その瞬間から頭の中でやることが変わります。

ベッドは空いているか、必要なスタッフはそろっているか、処置に必要な物品はあるか、今対応している患者さんは誰に引き継ぐか。

今いる患者さんと、これから来る患者さんを同時に考え続ける必要があります。

ようやく準備が整ったと思ったところへ、別の救急要請が入ることもあります。

この「次に何が来るかわからない」という緊張感が続くことは、救急で働く大変さの一つです。

【関連記事】救急外来の1日の流れ|現役ER看護師の日勤・夜勤スケジュールと仕事内容

2. 優先順位が何度も変わる

救急では、優先順位を一度決めれば、その通りに仕事を進められるとは限りません。

「まずこの患者さんの採血をして、そのあと点滴を交換しよう」と考えていても、途中で救急車が到着したり、別の患者さんの状態が変化したりすることがあります。

すると、それまで一番優先していた仕事をいったん止め、新しい状況に合わせて順番を組み直します。

優先順位を決める。状況が変わる。もう一度考え直す。救急では、この繰り返しです。

仕事量そのものだけでなく、頭の中で何度も仕事の順番を入れ替えることが、疲労につながっていると感じます。

3. 患者さんの変化を見ながら考え続ける

救急では、看護師が指示を待っているだけでは対応が遅れる場面があります。

患者さんの状態を観察し、「何が起きているのか」「医師へ何を報告する必要があるのか」「次の対応に備えて何を準備しておくか」を考えながら動きます。

もちろん、診断や治療方針を看護師だけで決めるわけではありません。

ただ、患者さんの変化に気づき、必要な情報を集め、適切なタイミングで医師やチームへつなぐことは看護師の大切な役割です。

救急では患者さんの状態が短時間で変わることもあるため、「さっきまで大丈夫だったから」と同じ見方を続けるのではなく、わずかな変化にも注意を向けます。

こうして勤務中ずっと考え続けることが、身体的な忙しさとは別の疲れにつながります。

救急現場で観察の優先順位を整理するときには、生命を脅かす問題から確認するABCDEアプローチが一つの土台になります。

【関連記事】ABCDEアプローチ(ABCDE評価)とは?救急看護の一次評価を図解で解説

4. できなかったことが頭に残る

救急で働いていると、勤務が終わってから、「あの判断でよかったのか」と思い返すことがあります。

「もっと早く気づけたかもしれない」「別の伝え方ができたかもしれない」と、あとから改善点が見えることもあります。

患者さんの状態や背景は毎回違うため、まったく同じケースはほとんどありません。

だからこそ、「次はもっと良い対応をしたい」と振り返ることは大切です。

一方で、一つの場面だけを切り取って、すべての原因を自分の対応だけに求めすぎないことも必要だと感じています。

救急医療は、看護師一人だけで完結するものではないからです。

5. 勉強しても終わらない

救急には、循環器、脳神経、消化器、呼吸器、外傷、小児など、さまざまな患者さんが来ます。

しかも、必ずしも典型的な症状で搬送されるとは限りません。昨日まで詳しく知らなかった疾患の患者さんが、今日搬送されることもあります。

そのため、「これだけ勉強すれば大丈夫」という明確な終わりがありません。

新人の頃は、まず目の前の業務を覚えるだけで精一杯です。

少し慣れてくると、「なぜこの処置をするのか」「この症状から何を考えるのか」まで理解する必要が出てきます。

さらに経験を積めば、後輩への指導やチーム全体のことも考えるようになります。

経験年数が増えれば勉強しなくてよくなるのではなく、知識が増えるほど「まだ知らないことがある」と感じることもあります。

6. 夜勤後に十分回復できない

救急看護師の大変さとして、夜勤を挙げる人も多いと思います。僕自身が感じるのは、夜勤そのものだけでなく、夜勤後に十分回復できないことのきつさです。

夜勤が終わって帰宅しても、生活は続きます。僕の場合は、家事や子どもの送迎、学校や家庭の予定があります。

もちろん家庭環境は人によって違いますが、夜勤明けだからといって一日中休めるとは限りません。

若い頃は少し寝れば回復できても、年齢や生活環境が変われば、同じ働き方が負担になることもあります。

救急看護が嫌いになったわけではない。

患者さんと関わることが嫌なわけでもない。

それでも、「今の働き方を、この先も続けられるだろうか」と考えることはあります。

これは救急に向いているかどうかとは別に、働き方そのものを見直す時期なのかもしれません。

7. 周囲と比べて自信をなくすことがある

救急で働いていると、忙しい状況でも冷静に動ける人や、急変時にも落ち着いて対応できる人がいます。

そうしたスタッフを見ていると、「自分だけついていけていないのではないか」と思うことがあります。

ただ、救急看護師がきついと感じる理由は人によって違います。

業務量かもしれません。

夜勤や家庭との両立かもしれません。

人間関係や教育体制が原因の場合もあります。

そのため、「救急がきつい」=「救急に向いていない」と、すぐに決める必要はありません。

まずは、救急の仕事そのものがつらいのか、働き方がつらいのか、今の職場環境がつらいのかを分けて考えてみてください。

10年以上働くと「きつさ」の内容が変わっていく

きつさはなくなるのではなく、内容が変わる

新人の頃にきつかったのは、知らないことが多く、目の前の仕事についていくことでした。

経験を重ねると、救急患者の受け入れや急変対応など、以前より落ち着いて対応できる場面は増えていきます。

ただ、それですべてが楽になるわけではありません。

経験年数が増えると、新人や後輩のフォロー、チーム全体の状況確認、急変時の役割調整など、見る範囲が広がります。

新人の頃は、「自分が仕事についていけるか」ということに必死でした。

今はそれに加えて、「困っているスタッフはいないか」「救急外来全体はどうなっているか」「自分はどこに入るべきか」まで考える場面が増えました。

また、年齢や生活環境が変われば、同じ勤務でも負担の感じ方は変わってきます。

救急看護師のきつさは、経験を積めばなくなるというより、経験年数や生活環境によって内容が変わっていく。

これが10年以上働いてきた僕の実感です。

それでも僕が救急看護師を続けている理由

ここまで「きつさ」を中心に書いてきましたが、僕は救急を10年以上続けています。

理由の一つは、チームで患者さんを次の治療につなげられたときの達成感です。

例えば交通外傷の重症患者さんが搬送されたとき、点滴や輸血、挿管など、そのとき必要な対応を医師や看護師、多職種で進めます。

そして患者さんの状態を整え、手術室やICUへ送り出せたときには、

「チームでここまでつなげられた」

という、何とも言えないやりがいを感じます。

きつい日があっても、こうした達成感があるからこそ、僕は10年以上救急を続けてこられたのだと思います。

救急看護師がきついときにまずできる対処法

救急を辞めるかどうかを決める前に、まずは「何が一番きついのか」を整理してみてください。

  • 疲労が重なっているなら、まず休息を取る
  • 業務量や人間関係がつらいなら、信頼できる上司や同僚へ相談する
  • 夜勤が負担なら、回数や勤務形態を調整できないか確認する
  • 勉強に追われているなら、今の自分に必要な内容へ絞る
  • 休んでも心身の不調が続く場合は、医療機関や専門家への相談も検討する

「救急を続けるか、辞めるか」の二択だけで考える必要はありません。

勤務調整や部署異動など、今の職場で変えられることが残っている場合もあります。

救急看護師を辞めたいほどきついときは「何がつらいか」を分ける

きつさはなくなるのではなく、内容が変わる

それでも「辞めたい」という気持ちが続くなら、原因によって次の選択肢を分けて考えてみてください。

① 救急の仕事そのものがきつい

急変対応、重症患者への対応、次々に変わる優先順位、緊張感そのものが長期間つらい場合です。

この場合、夜勤回数だけを減らしても、つらさが大きく変わらない可能性があります。

「救急の仕事そのものから離れたい」という気持ちが続いているなら、部署異動や別の働き方も選択肢になります。

詳しい判断基準はこちらで整理しています。

【関連記事】救急看護師を辞めたい|救命救急10年の現役ナースが語る判断基準と選択肢

② 救急は嫌いではないが、今の部署・環境がきつい

救急看護そのものではなく、人間関係、教育体制、人員配置などに負担を感じている場合です。

この場合、救急を辞めなくても、部署や職場環境を変えることで状況が変わる可能性があります。

今の部署から異動したい場合の考え方は、こちらの記事で詳しく整理しています。

【関連記事】看護師が異動したいときはどうする?伝え方・理由と転職を考える判断基準

③ 救急は好きだが、働き方がきつい

夜勤、家庭との両立、年齢による回復の変化、勤務時間などが負担になっている場合です。

この場合は、救急そのものから離れる前に、「夜勤回数を調整できないか」「勤務形態を変えられないか」「部署を変えることで負担が変わらないか」を考える方法もあります。

救急が好きだからこそ、働き方を変えて続けるという選択肢もあります。

救急経験は別の部署でも活かせる

「救急を離れたら、これまでの経験が無駄になるのではないか」と感じる人もいると思います。

救急で働く中では、患者さんの状態を観察し、優先順位を考え、急変時にチームで動き、医師や他職種と連携する経験を繰り返します。

こうした経験は、救急外来だけでしか使えないものではありません。

一般病棟でも患者さんの急変に気づくことや、複数の業務に優先順位をつけることは必要です。もちろん、救急経験があればどの職場でも有利になるという意味ではありません。

それでも、救急で積み重ねてきた経験が、別の部署で活かせる場面はあると感じています。

まとめ|救急看護師がきついと感じたら原因を分けて考える

救急看護師のきつさは、忙しさだけではありません。

次々と変わる状況への対応、判断を続ける疲労、勉強、夜勤や家庭との両立など、さまざまな負担が重なります。

僕自身、10年以上救急で働いてきても「今日はきつかった」と感じる日はあります。

ただ、何がつらいのかを、

救急の仕事そのもの
今の働き方
今の職場環境

に分けて考えると、選択肢も見えやすくなります。

救急そのものがつらいなら、別の部署を考える。

救急は好きでも今の環境がつらいなら、異動や職場変更を考える。

働き方が負担なら、勤務調整を相談する。

救急を続けることだけが答えではありません。

自分が無理なく、長く看護師として働き続けられる方法を選ぶことも大切だと思います。

【関連記事】看護師が転職を考えたら何から始める?辞める前にやるべきことと転職の進め方

ハク
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僕自身、10年以上救急を続ける中で、年齢や家庭環境に合わせて働き方を考えるようになりました。救急を続けることだけを目標にせず、自分が長く働ける方法を考えていいと思います。

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