こんにちは、ハクです。
「血圧が下がっている=ショック」という認識は合っています。でも、ショックには種類があって、種類によって対応が変わります。
救急外来では「ショックっぽい患者さん」に何度も出会います。そのたびに「これは何のショックだろう」と考えながら動く習慣が、正しい対応につながります。
この記事では、ショックの4つの種類と見分けるポイントを、現場目線でお伝えします。
ショックの定義・4つの種類・それぞれの特徴と見分け方・現場での対応ポイント

ショックの種類を知っておくと、医師への報告がより的確になります。「血圧が低い」だけじゃなく、「こういう状態から○○性ショックを疑っています」と言えると、チームの動きが速くなります。
結論:ショックは4種類。見分けるポイントは「皮膚の状態」と「病歴」
ショックとは、全身の組織に必要な酸素が届かなくなった状態です。血圧が下がるのはその結果のひとつです。
ショックは大きく4種類に分けられます。
・出血性ショック(循環血液量減少性)
・心原性ショック
・分布異常性ショック(敗血症性・アナフィラキシー・神経原性)
・閉塞性ショック
① 出血性ショック(循環血液量減少性ショック)
血液や体液が失われて、循環する血液量が足りなくなった状態です。
よくある原因
・外傷による大量出血
・消化管出血(吐血・下血)
・骨折(大腿骨・骨盤骨折は大量出血しやすい)
現場での見分けポイント
・皮膚が冷たく、湿っている(冷汗)
・脈が速くて細い
・出血や体液喪失の病歴
・外傷がある
対応の基本はルート確保・輸液・出血源の特定です。
外傷患者で血圧が低ければ、まずこれを疑います。
② 心原性ショック
心臓のポンプ機能が低下して、全身に血液を送り出せなくなった状態です。
よくある原因
・急性心筋梗塞
・重症心不全
・重篤な不整脈
現場での見分けポイント
・皮膚が冷たく、湿っている(出血性と似ている)
・頸静脈が怒張している
・胸痛・呼吸困難の訴えがある
・心電図に変化がある
輸液を大量に入れると心臓の負担が増えて悪化することがあるため、出血性ショックとの鑑別が特に重要です。
③ 分布異常性ショック
血管が過度に拡張して、血液が全身に適切に分布できなくなった状態です。
代表的なものに敗血症性・アナフィラキシー・神経原性があります。
敗血症性ショック
感染が全身に広がり、血管拡張が起きている状態です。
・発熱または低体温
・皮膚が温かく赤い(早期)
・頻脈
・頻呼吸
・感染巣の特定が重要(肺炎・尿路感染・腹膜炎など)
アナフィラキシーショック
アレルゲンへの暴露後に急速に起こるアレルギー反応です。
・皮膚の発赤
・蕁麻疹
・かゆみ
・喉の腫れ
・呼吸困難
・薬剤
・食物
・ハチ刺され
などのエピソードがある
アドレナリン筋注が第一選択です。迷ったら早めに投与します。
神経原性ショック
脊髄損傷などで交感神経が遮断されて血管拡張が起きた状態です。
・外傷
・脊髄損傷の病歴
・皮膚が温かく乾燥している
・徐脈(他のショックと異なる)
④ 閉塞性ショック
心臓や大血管に物理的な閉塞が起きて、血液の流れが妨げられた状態です。
よくある原因
・緊張性気胸
・心タンポナーデ
・大規模な肺塞栓症
現場での見分けポイント
・頸静脈の怒張
・気管の偏位(緊張性気胸)
・呼吸音の左右差
・急激な呼吸困難
・胸痛
原因の解除が最優先です。
緊張性気胸なら脱気、心タンポナーデなら心嚢穿刺が必要です。
ショックの種類を見分ける3つのポイント
現場で素早く鑑別するために使えるポイントは3つです。
① 皮膚の状態
・冷たくて湿っている→出血性・心原性
・温かくて赤い→分布異常性(敗血症・アナフィラキシー初期)
・温かくて乾燥→神経原性
② 頸静脈の状態
・頸静脈が怒張している→心原性・閉塞性
・頸静脈が虚脱している→出血性・分布異常性
③ 病歴・状況
・外傷・出血→出血性
・胸痛・心電図変化→心原性
・感染症状→敗血症性
・アレルゲン暴露→アナフィラキシー
・脊髄損傷→神経原性
・急な呼吸困難→閉塞性
まとめ
・ショックは出血性・心原性・分布異常性・閉塞性の4種類
・「血圧が低い」だけでなく、種類を鑑別することが重要
・皮膚の状態・頸静脈・病歴の3点が見分けるポイント
・種類によって対応が異なるため、早期の鑑別が患者さんを救う
ショックは種類によって対応が180度変わることがあります。
「とりあえず輸液」が正解ではないケースもあるので、鑑別する習慣を持っておくことが大切です。

ショックの鑑別は経験を積むほど「見えてくる」感覚があります。最初は難しく感じても、ABCDで評価しながら皮膚・頸静脈・病歴を確認する習慣をつけておけば、少しずつ見えてきます。



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